SSブログ

天を恨まず3 [戯言]



http://www.youtube.com/watch?v=OoDgQ3DQTH4&feature=player_embedded#at=12

気仙沼、階上中学の卒業式の答辞、「天を恨まず」。
この映像に感動した人はもの凄い数に上るようです。
ソネブロにはあまり役に立たないアクセス解析がついているのですが、
あの時以来、この検索ワードで見に来られる方多数いらっしゃることで分かります。

一番アクセスが多かった日、日も経っているのになぜ?と思ったら、
さだまさしさんが民放でこの卒業式の事を話したらしいんです。
それを知った妻、一昨日深夜のNHK、さだまさしさんのトーク番組を録画。
もしかしたらあの時のニュース画像を流すかもと。
正解でした。あっぱれ、妻。
昨日、久し振りに見返し、また涙・・・
さださまさしさんも生放送中に涙・・・

ここからは、昨日、東北道を仙台東京日帰り往復した時に車の中で思ったこと。
天を恨まず、の天、そして仙台青葉まつり中止、いろいろについて。

**************************************************
日本には八百万の神々がいます。
太陽を神格化した天照大神や海を神格化した綿津見大神など、
自然神だけでなく、人が作った刀を神格化した布津主(ふつぬし)神や
機能や職能も神になるし、人さえ神になってしまいます。
天神様の菅原道真や東照宮の徳川家康が有名ですよね。

ところで、そんな神々は人々に恵みをもたらす和魂(にぎみたま)だけでなく、
災厄をもたらす荒魂(あらみたま)を一身に併せ持っています。
自然にも、道具にも、人にもあらゆるものある「利」「害」の二面性を
「害」すらそのまま受け入れ「神」としてきたことに
日本人の素晴らしさを感じずにはいられません。

古来、日本人は収穫を祝う秋祭りのように神の和魂を敬い感謝するだけでなく、
天変地異、疫病、天候不順をすべて神の荒魂の発揮として畏れ、
なんとかその災厄から免れようとする「まつり」も行ってきました。
祇園祭なんかはその代表例です。

歌舞音曲をともなうような祭り、その起源は天岩戸神話にあります。
弟、スサノウの乱行を悲しみ、天岩戸にお隠れになったアマテラス。
世界は暗く、荒れました。
そこで神々は知恵を絞り、アメノウズメという女神が楽しい(エロい)踊りを舞い、
周りの神々も大騒ぎして(楽しんだふりをして)、アマテラスを岩戸から引き出し、
怒りを鎮め和したのです。

何が言いたいか、

中止するような「まつり」だったら最初からしなきゃいい

ということ。
仮にも青葉まつりは藩主伊達正宗を祀った青葉神社の祭礼なんでしょう。
知らないうちにそれが、雀躍りだの山鉾だの、あちこちの祭りを寄せ集めたような
根拠のない「伝統」をでっちあげ、観光、集客のための「まつり」にすげ替えた。
だから、こういう事態で「中止」に出来るのでしょう。

「まつり」は本来神事です。
そして神に感謝するだけでなく、慰め、和す(やわす)ものです。
今回のような天変地異こそ、しっかり「まつら」なきゃいけないのに、中止。
でも、僕はこの判断は間違ってないと思うんですよ。
元々うさんくさい祭りでしたから、この際未来永劫やめてしまえばいい、という意味で。

重ねて言えば、昨今のパワースポットブームやら、神様ブームも
僕は大いに懐疑的でした。
ご利益を願う前に、もっと神を畏れる感性を持つことが大切だと思うんです。
天罰、などと発言した方がいますが、僕はある面真理だと思っています。
神は祟るんです。
祟りを恐れる感性は、自省し清く生きようとする感性に通じるように思います。

神の荒魂を忘れ、驕り高ぶり、自然を、人を思い通りに操れると勘違いした世の中を
神=天は諌めたのだと思います。
ただ、階上中の答辞の言葉通り、それはあまりにむごいものでした。

それでも、天を恨まず。

彼のこの言葉が多くの人の心を打ったのは、僕と同じように感じている人が
多いのだと思います。
これからこの世の中をどう明るく良くしていくか、それが大事だと思っています。
ただ恨むだけでは何も始まりませんものね。
nice!(18)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 18

コメント 11

Rchoose19

お祭りの本来の意味は忘れられて商業主義先導の物に刷り代わっていっているのですね。
終戦直後焼け野原の浅草で四万六千日の市が立ち復興に奔走する人の心を強く支えたって話を小さい頃に聞きました。
大川の花火も元はといえば大火で亡くなった方の鎮魂の意味で始められたものですから、ただのお祭り騒ぎじゃないんですよね。
自粛、中止を叫ぶのは簡単かもしれませんが改めて奉る=祭るの意味を考えてみたいと思います。
by Rchoose19 (2011-04-10 08:04) 

kotobukimaru

Rchoose19さん、
おはようございます。
そうなんですよ、花見もどんどんやればいいんですよ。
もともとは田の神様を山からお迎えして、
一緒に楽しんで豊作を願う行事なんですから。
これでお米がとれなくなったら困りますからね。

商業主義やらまがい物は消えて、本来の心の底から
出てきたようなことは遠慮せずにやればいいと思うんです。
by kotobukimaru (2011-04-10 08:15) 

つるちゃん

そう、、、祭りは神事。
商業に成り代わってる事実は否めませんね。
うちの方でも、田舎に行くほど良い祭りがあります。
ある神社では、二人の獅子舞が魅せる居合い形。商業的なものは一切排除。すばらしいものです。

一方で、市の夏祭りも自粛で昼のみとなりました。
囃子をしてる息子はガッカリしてましたよ。

by つるちゃん (2011-04-10 10:34) 

通りすがり

今回の震災は、日本の地理的欠点が再認識された。

太平洋プレートに常に押されて、その結果、地震、津波

が発生するのは、プレートテクトロニクス理論で説明される。

常に地震エネルギーが蓄積されている。

今回の巨大地震が起きたという事は、巨大な地震エネルギー

が蓄積されていたのだろう。

これを解決出来るのは、防潮堤でも難しい。

地震エネルギーを電気エネルギー変える研究をするべきだ。
by 通りすがり (2011-04-10 11:01) 

ぺこりん

青葉まつり、子供が好きなので、毎年のように見に行っていました。まつりの前夜、片倉小十郎の末裔である青葉神社の宮司さんが伊達正宗の御霊を神輿に乗せるのだそうです。その神輿は正宗が引っ張るといわれ、左右に動いたりなかなか前に進まないのですが、去年の神輿の動きは、回転したり、例年にも増して異常でした。制御できなくなり観客につっこむのでは?と思うほどでした。今思うと、何かを暗示していたような気がします。

by ぺこりん (2011-04-10 11:05) 

luckystream

母の実家に帰った時は、祖母と一緒に寝るのが習慣で、
その時いつも日本神話を話してくれました。
天照大神が天岩戸から出てくる行で、私が
「神様ってお祭り好きなん?」と聞いた時、祖母が笑って
「そうや。いつもまつられてはるやろ。
感謝して、お礼して、怒ってはったら、気持ちを静めてもらわなあかんの。
それがおまつりやで。」
と言われたのを思い出しました。
by luckystream (2011-04-10 11:53) 

lovin

さっき近所の公園に行ってみたら、いつもどおり、たくさんの家族連れ、
仲間どおしでたくさんの人たちがお花見してました。
どんちゃん騒ぎは無く、いい光景でした。
by lovin (2011-04-10 12:55) 

yd

ガス、なかなか出ませんね(涙)
妻は既に開き直ってました(苦笑)

石巻市の川開き、開催するってことを決めましたね!
公私共にお世話になっている、商工会議所の会頭さんが、今朝テレビに出てお話されてました。
僕も開催に賛成です!
規模は小さくなるでしょうが、こんな時だからこそ気持ちを一つにすることが大事だと思います。

お疲れとは思いますが、くれぐれもお身体を大事にしてください!

by yd (2011-04-10 13:57) 

Huck_Finn

「天を恨まず」、の答辞、あっぱれでしたね。
ソーシャルネットワークのおかげで、こういった情報に一般のたくさんの人が触れることができる時代になりました。
不幸中の幸いかもしれません。
こういった仕組みの中で、人々はあふれる情報の中から本当に必要な情報を取捨選択していくのですね。

>中止するような「まつり」だったら最初からしなきゃいい
まさにおっしゃる通りだと思います。
日本は、今回の震災を機会に経済、社会、文化、政治、いろんな側面の在り方を問われているんだろうと思います。
新しい日本を創る。
のいい機会にするべきだと思っています。
by Huck_Finn (2011-04-10 21:44) 

bluebird

そうですね、あまりに商業的になりすぎた「祭り」だから、簡単に自粛とか中止とか言えるのでしょうね。
神事と考えたとき、「三社祭」や「神田祭」中止のニュースはすごく違和感があります。被災地でもないのにね。

それぞれの地域のちいさな「お祭り」は、人の心のよりどころでもあるのですから、細々とでもいい、続けていくべきですね。
by bluebird (2011-04-11 12:25) 

うつぼ

商業的な祭りに限って自粛が美徳だと思い勝ちなのでしょうかね。
お祭りが出来るところでは自粛せずいつも通りにやればいいのに。
花見、、、日本に帰ったらそっと近所の公園でやります。
(もちろんワンカップ大関持参で♪)
by うつぼ (2011-04-12 00:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。